前進あるのみ？

出かける前はホットカーペットの上で開脚前屈の姿勢でスヤスヤ眠ってたサクラだけど、玄関の鍵を開ける時はただならぬ鳴き声だったから、慌てて入ったら、見えるとこにいないの。でも、断末魔のようなつらそうな鳴き声が止まらない。さては、キッチンの隅の葱でも食べて具合悪くなってんのかしら？とキッチン探したら、葱の置いてある場所と反対の、ゴミ箱とレンジの間の隙間（１５センチ？）に頭を突っ込んで、泣き喚いていた。もう、おかしくって、可愛くって。だって、ちょっとだけ後退すると、完全に自由の身になれるのに、彼女は前向き過ぎて、前進あるのみなんだ。前進すると、壁なんだのに。
抱き上げてギュッと抱きしめて、一緒にお布団でお昼ねしてあげた。
で、夕方ごはん仕度とかしながら、すっかりサクラのことなんて頭になかったんだけど、ソロソロ起こしてごはんあげようと、廊下に出たら、なにやら白い物体が動いてる。サクラちゃん、今度はベッドから転がり落ちて、ダイニングへ向かう途中だったみたい。これ、普通に目が見える犬なら、どうってことないけど、何しろ全盲なんだから、その努力というか、ひたむきさっていうか、健気っていうか。声も上げずに、なんとか自力で辿りつきたいんだろうなぁなんて、勝手に思って、可愛くってギュッと抱き上げて、すぐに赤ちゃん言葉であやしてしまうんだなぁ。
サクラが元気でいてくれて助かっている。殺伐とした空気が漂うことだってある家族だけど、彼女のお陰で和む。
僧侶Aも仕事で色んなお宅に訪問して、法事の席に犬がいたりすることがあるらしいけど、うちのサクラが元気だって自慢そう。こないだ訪問したお宅の犬はサクラと同じ１５歳でも、オムツしてたらしい。目は白内障で黒目のとこが真っ白で、見た目にもちょっと怖い感じだったらしいけど。サクラは緑内障だから、盲目だけど黒目は黒めだから、知らない人には見えてるようにしかみえないもの。まだ、オムツもいらないしね〜。