[うだうだ]父の遺したもの

借金を遺さなかったのが、有難いって感じで、あんまりお金に縁のない生き方だった。
でも、継母や腹違いの妹との関わりってのを遺してくれた。
普通は死ぬまで関わらないどころか、お互いに憎みあってしまいそうな間柄だろうと思うけど、継母がいい人なんだろう。
父は母と正式に離婚して、結婚相談所の紹介で継母と再婚したのだった。ありがちな離婚の原因が継母ってことはなかったのも、幸いしたのだろう。
継母にしたら、前妻の娘が頻繁に出入りするのが面白くはなかっただろうけど、表面的に嫌な顔することなく、中高時代の私にご飯食べさせてくれた。母は家事一切が上手く出来ない人だったので、継母の作るお惣菜を食べるのはその頃の私の楽しみの一つだったんだ。
勿論、私だって食欲のみの馬鹿じゃないから複雑な関係に怯まなかった訳じゃないけど。憎んで終わるのは誰にでも出来る。
そんな思いがあったカモ。
で、今電話口で父のこと偲んで一緒に泣ける、地の繋がらない母娘。
郵便局の簡易保険が来年満期になったら、広島へ遊びに行こう!って約束してたらしい。


地の繋がらないじゃなく、血の繋がらない。